大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和27(あ)3875 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人島田武夫の上告趣意第一点は、違憲をいうが、その実質は、単なる訴訟法

違反、事実誤認、これを前提とする単なる法令違反の主張を出でないものであつて、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点は、判例違反をいうが、原判決は、第一審判決の判示した判示金額をA

農業協同組合連合会におけるB農業協同組合の特別当座貯金に振込を受けた事実を

是認し、これにより同農業協同組合は事実上該預金を処理し得べき状態を獲得した

からこの事実を以て不法利益を得た旨判示している。従つて、被告人等は共謀の上

同組合をしてかかる不法利益を得せしめる犯意であつたこと判文上白ら朋らかであ

るから、原判決は、何等所論引用の判例と相反する判断をしていない。それ故、所

論は採るを得ない。

同第三点は、判例違反をいうが、原判決は、前点について説明したとおり判示し

ており、少しも所論引用の判例と相反する判断をしていない。されば、所論は結局

独自の法律見解に基き原判決の判断を非難するに帰し、採ることができない。

同第四点は、判例違反をいうが、所論判例は、本件に適切でないから、その前提

を欠き、刑訴四〇五条の上告理由として不適法であるばかりでなく、原判決の是認

した第一審判決の判示によれば、食糧検査官Cの欺罔された誤信の内容は判文上自

ら明らかであるから、所論は採るを得ない。

同第五点は、判例違反をいうが、所論判例は本件に適切でないから、その前提を

欠くばかりでなく、所論は結局事実誤認並びにこれを前提とする単なる法令違反の

主張に帰し刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第六点は、判例違反及び違憲をいうが、原審で主張判断のない単なる訴訟法違

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反(しかも、被告人に不利益な)を新らたに当審で主張するに帰し、上告適法の理

由と認め難い。そして、控訴審が、控訴趣意として主張しない法令違反につき職権

調査をせず又はこれにつき判断を与えなくとも違法であるといえないことは、当法

廷の屡々判示したところである。

よつて、刑訴四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとお

り判決する。

検察官 吉河貞光公判出席

昭和三二年一月三一日

小法廷

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判長裁判官岩松三郎は退官につき署名押印することができない。

裁判官 真 野 毅

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